相続手続き支援センター

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過去事例

当ネットワークが対応した、過去事例を掲示します。

奥が深い遺族年金の申請・健康保険などの切り替え手続き


突然のご主人の死。
      
お葬式を無事に終えた松本さま(仮名)が、思い出と悲しみに浸る間もなく、要求される手続きが、健康保険の切り替えです。
松本さまは、ご主人(会社員)の扶養家族だったので、原則、ご主人が亡くなった日から14日以内に国民健康保険への切り替えをしなくてはいけません。
手続きが遅れると無保険状態ですから、その間に、病院にかかった場合は、全額自己負担になります。松本さまに会社などへ勤めているお子さまがいらっしゃれば、扶養家族として、お子さまの健康保険に入れてもらうこともできます。
しかしながら、勤務先の健康保険によっては、加入できる要件が異り、誰でも入れるわけではないことから、勤務先の健康保険へ早急に加入要件を確認する必要があります。
要件を満たしていても、なかなか加入させてくれない健康保険もあります。
健康保険の切り替え手続きと同時に進めたいのが、遺族年金の申請です。
ご主人の死亡が、在職中なのか、定年退職後なのか、年金受給中なのかによって、手続きに必要な書類が異なります。せっかく年金事務所に手続きに行っても、1つでも書類が揃わなければ出直しです。
通常、年金事務所は1~2時間待ちが当たり前ですから、1度で手続きを終わらせたいところです。
松本さまの場合は、ご主人の勤務先に企業年金もありました。企業年金は、その種類や勤続年数によって、松本さまが請求する先が異なります。
年金の請求は、健康保険とは違い、ご主人が亡くなってすぐにしなければいけないものではありませんが、申請が遅くなればなるほど、支払われる時期が遅れるので、貯蓄を崩して生活する日が続くことになります。ご主人名義の口座から生活資金を引き出せない状況下、手持ち資金と松本さま自身の口座にある残高で暮らして行かなければなりません。
生活資金の確保を真っ先に確認しておくことも、相談員の役割だと気付いた案件でした。


『根抵当権、買戻し特約って何?相続税申告って?』私どうすればよいの?


かねてより営業活動をしていた銀行の窓口責任者より、「窓口にお見えのお客様の戸籍が足らないので、センターさん何とか助けてあげてもらえないでしょうか?」という電話がありました。
すぐに銀行を訪問すると、お客様から「自宅へ来て欲しい」と、住所に詳しい地図が書かれたメモを窓口責任者の方から渡されました。

お客様は山田様(仮名)72歳の女性。76歳の結婚経験のない、養子もいない一人暮らしの実兄の相続手続で、困っているとのことでした。
亡くなった実兄の相続人は山田様と69歳の妹の二人のみ。自分の実兄の相続手続を山田様の夫に頼むわけにも行かず、また山田様の子供達は独立、もう一人の相続人である妹も身障者の子を抱えて外出がままならず、結局山田様が一人で相続手続きに必要な書類を収集するしかなくて、困っているとのことでした。

山田様に相続手続の概要についてお話をして、相続する遺産額によっては、場合によって戸籍の取得以外に、相続税の申告手続が必要であるので、念のために遺産の内訳についてお聞きしました。
取引銀行6行、証券会社2社、その他乗用車、自宅不動産などの相続財産の概算を合計すると、相続税の申告が必要である事が判りました。そして相続税申告の前に、準確定申告の期日が迫っていることもお話しました。
「助けてください。私には何をどうしたらよいのかさっぱりわかりません・・・」と山田様。
そこで改めて税理士と共に自宅訪問、税理士よりわかりやすく相続税の申告にいたる手続きを説明してもらい、税理士の指示に基づいて戸籍以外に申告に必要な書類も併せて収集することをお伝えしました。

自宅不動産の謄本を取得すると、かつて国民金融公庫が根抵当権を設定している事が判り、山田様にお聞きすると、「実兄は商売をしていたので、銀行から借りたかもしれない、でも借金はもうないはずだが・・・」との事で、旧国民金融公庫(現在の日本政策金融公庫)に連絡をして借り入れがない事を確認し、根抵当権の抹消書類一式を受取る手続きをしました。

また自宅不動産購入時に、住宅供給公社より「買戻し特約」が登記されていることも判明しました。それで住宅供給公社に『買戻し特約抹消』の書類を受取る手続きもしました。

山田様は、不動産に設定されていた根抵当権や買戻し特約の抹消手続きなど全くわからず、相続税の申告に残高証明書、所有株式数証明書、未払い配当金の明細書などの追加の書類が必要で、「全てセンターさんに書類の取得を代行してもらえたので、本当に相続の手続を頼んでよかった」と大変喜んで頂きました。

また、ご紹介頂いた銀行の窓口責任者の方からも、お客様から「よいところを紹介してもらった」と電話があって紹介してよかった、と大変喜んで頂きました。


戸籍上は親子でなかった?


Aさんは、若い頃から仕事に一生懸命で婚期を逃し晩婚でした。
Aさんのお相手は、奥さんと死別した永井さん(仮名)。永井さんには4人の子供がいましたが、その当時すでに、いずれも成人していたし、4人のお子さんも結婚には賛成してくれたので、迷うことなく結婚しました。Aさん56歳にして、やっと掴んだ幸せでした。
その後、年上のご主人である永井さんは先に亡くなりましたが、残されたAさんは、長男夫婦と孫たちと3世代で同居し面倒を見てもらっていました。

そしてある日、突然Aさんは天に召されることとなりました。Aさんは長い間独身で子育てもなかったので、不動産は所有していなかったものの貯金も相当にあり、それなりの金融財産は持っていたのです。葬儀後に長男が市役所に手続きに行ったところ、ある事実が発覚しました。
継母であるAさんと4人の子供全員とは養子縁組がなされておらず、いうなれば戸籍上はただの同居人にすぎなかったのです。
もうお分かりですね。婚姻届を提出して夫婦になることと、連れ子と戸籍上親子になることとはまったく別の届出が必要なのです。
こうなると、Aさん亡き現在となってはどうすることもできません。配偶者が亡くなり当然に両親も他界しているAさんの法定相続人は兄弟姉妹となり、実際、亡き姉の子供2人(甥と姪)と高齢の妹の3人が法定相続人となりました。
Aさんはもともと九州の生まれということもあり、3人の相続人は全員が九州に在住していました。預貯金の解約払戻や株券の名義変更など諸手続きに、相当な手間がかかったのは言うまでもありません。

また本来永井さんの長男がもらうべき遺産を、「離れて暮らしている私たちが受け取るのは忍びない」ということで、本来の相続人は結局、遺産のすべてを永井さん一家に、贈与税がかからない範囲の金額で渡されたとの事ですが、本来であれば永井さん一家は一銭も引き継ぐことができない状態でした。

戸籍謄本は、普段の生活ではお目にかかる機会が多くない公的証明書類です。昨今では離婚も増加し、子連れで再婚する方も珍しくないと聞きます。お心あたりのある方は今一度ご自身の戸籍を確認してみることをオススメしたいです。もちろん承知の上で養子縁組をあえてしないという方もいらっしゃいますが…。


“住所不詳”―「印鑑登録証明書」取得不可の相続人!!


夫Aが突然死亡、困惑した妻Bから葬儀社の社長を通じ、相続手続の相談が相続手続支援センターに持ち込まれました。
夫婦には子供がなく、相続人は妻Bの他にAの姉妹C、D、Eの4人であるとのことでした。

しかし妻Bと夫Aの姉妹達との行き来が余りないとのことで、戸籍を取得して相続人らの所在を確認したところ妹Eの住所が「職権消除」されていて、まったく音信が取れない状況であることが分かりました。

そこで、不在者財産管理人の申立を行う予定で、候補者の選定を要請するとともに遺産分割協議書の作成準備に入ったところ、姉Dより所在のわからなかった妹Eから連絡があったことを聞き、司法書士が妹Eと連絡をとることができました。
妹Eと面談にて住所不詳の事由を伺ったところ、息子のDVから逃れる為であり、住所の届けは出していないし、今後も出す予定がないということを確認しました。

住所の届けがない…ということは、手続きに必要な「印鑑登録証明書」がとれない!ということになります。そこで、印鑑証明書添付に代わるものとして『公証人による認証』により、遺産分割協議書を作成することにしました。
妻Bはじめ他の相続人の了解を取り、後日妹Eの入院中の病院にて公証人立会いの下、妹Eの署名捺印を行ない『公証人による認証』を添付、「遺産分割協議書」を整えることが出来ました。結果、自宅マンションの相続登記をはじめ、銀行等預貯金の相続手続も無事終了、妻Bの困惑を一掃することになり大変喜んでいただきました。


気持ちのこもった遺言によって寄付された美術品


田中さん(仮名)は妹と2人姉妹で、幼いころに父親が亡くなり、母親が女手一つで田中さんと妹を育ててきて、とてもご苦労をされてこられました。
母親は、誰にでも懐深く親身に接し、また非常に責任感が強く、多くの公的な役職を歴任し、みんなに頼りにされる方でした。

そんな母親が、ガンで急に亡くなってしまいました。本当に惜しい人をなくしたものでした。
実は母親は、万一に備え、遺言を残されていました。遺言には、子供たちだけでなく、それまで関わってきた多くの人たちへの溢れる感謝の思いが切々と書かれていて、拝見させていただいたセンターの相談員も、涙をこらえることができませんでした。

遺言の中で、
「田中家の地下収蔵庫に残されている絵画は、先代(田中さんの父親方の祖父)が残してくれたものと、自分が購入し大切にしてきたものである。自分が死んだら、地域の○市立美術館に寄付し、△室に飾ってほしい」
と書かれていました。
田中さんと妹さんは、母親の気持ちを大切に、寄付の手続きをすることにし、当センターがお手伝いして、母親が購入した絵画は、目録作成・寄付の手続きとスムーズに進み、速やかに完了できました。

しかし、先代が残してくれた絵画が問題でした。
先代も遺言を残しており、絵画は長男(田中さんの父親)と二男(田中さんの叔父)に相続させるとありました。
実は叔父さんは、田中さんの父親の葬儀に参列したのを最後に行方不明となり、誰も居場所を知らなかったために、母親の葬儀にも呼べない状況でした。
叔父さんの同意がないと寄付ができません。当センターにて、叔父さんの最終住所地を突き止めましたが、そこは空き家で、近所の方に聞くと10年くらいはずっと空き家だとのことでした。それから3か月後、その時の近所の方から連絡があり、「○市△町で雑貨屋をしていることがわかった」、とのことでした。深く感謝し、早速連絡し、お会いすることができました。
お話をお聞きすると、今は厳しいながらも安定した生活を送っているが、昔事業に失敗し、誰にも連絡できない時期があり、それからそのまま誰とも交流がなくなってしまった、とのことでした。
訪ねてきた理由をお話しすると、田中さんとも会って話すということになり、田中さんから母親の遺言を見せてもらった時には、とても感動され、快く寄付に同意してくれました。
ほどなく寄付の手続きも終えることができました。その後、田中家親族と叔父さんとの交流も再開したようです。

今回寄付した絵画は全部で、30作品ほど。
そのうちの20作品は、市場流通価格があり、売買すればまとまった金額になるとのこと。
本来なら揉めてもおかしくない状況でしたが、田中さんの母親の生前の人柄もさることながら、すべての人を感動させた遺言によって、故人の遺志通りに、絵画の寄付が無事できたのだと思います。故人の深い感謝の気持ちが、みんなの気持ちを一つにしたのだと感じています。


遺産分割協議書は大切に保管しましょう


『不動産の名義変更ができていなかったみたいなのです。』と、お母様の相続手続きのお手伝いをさせていただいたAさんから電話がありました。
Aさんに詳しくお話を伺うと、どうやら、18年前に亡くなったお父さんの山林の名義が変わっていないようでした。
その土地は、
①お父様の所有している持分も少なく
②山林であったために固定資産税の請求書も届いていなかったこと
③生前にお父様からすでに売却したと聞いていたこと
④権利書が自宅に保管されていなかったこと
から、Aさんはお父様が生前に処分したものと思っていたようです。
このたび、Aさんのもとにお父様の友人から電話があり、該当の不動産を買いたい方がいるので、早急に名義変更してほしいと言われたそうです。

Aさんと相談員は、18年前の遺産分割協議書を家中の重要書類の中から探しました。
すると、当時の相続税申告書が出てきました。期待に胸を膨らませて中をみると、遺産分割協議書が出てきました。
喜び勇んで実印の押印してあるページを見ると…。残念ながらコピーでした。
ただ、遺産分割協議書の中には、『この遺産分割協議書に記載のない財産はAさんが受取るものとする』との記載がありました。その場で司法書士の先生に連絡をとり、何とか遺産分割協議書のコピーで登記をすることができないものかと相談をしましたが、やはり、原本でないと名義変更ができません。
解決方法として、前回の遺産分割協議書と抵触しない同様の内容で、該当不動産の部分のみの遺産分割協議書を再度作成することにしました。
Aさんから他のご相続人へ連絡し、事の次第を説明し、遺産分割協議書に署名、押印をいただくことができました。そしてなんとか数週間で、不動産の名義変更を無事完了しました。
その後、Aさんは不動産を売却し、ホッとしたとおっしゃっていました。そして大切な書類はまとめておかなければいけないね…と苦笑い。

Aさんはご相続人全員と仲が良く、再度遺産分割協議書を作成することができましたが、不仲だったら…、相続人が認知症になっていたら…到底名義変更はできなかったでしょう。

相談員は、「被相続人の財産について、100パーセント知っている相続人はいません。被相続人すら覚えていない財産もあります。何年経っても、今回のように名義変更のできていない財産が出てくる可能性を考え、遺産分割協議書の原本は必ず大切に保管してください」とAさんのようにお困りの方が一人でも少なくなるようにと考え、すべてのお客様にしっかりとお伝えするようになりました。


養子の子の代襲相続権


小川さん(仮名)の夫は、昭和42年に小川さんの両親と養子縁組をしました。その後夫は、平成16年に死亡しています。

この度、母が亡くなりました。
小川さんには3人のお子さんがおり、二男と長女の2人は夫の養子縁組後に生まれています。
養子縁組前に生まれた養子の子(長男)は代襲相続人になれないと聞いたことがあり、果たして長男は母の遺産を引き継ぐことができるのか、といった少し特殊な事案でした。代襲相続については、民法887条2項で、

「被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、(中略)、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りではない」

と規定されています。
このことから、代襲相続人となるには、①相続人の直系卑属であること、②被相続人の直系卑属であること、③相続開始時に存在すること、が必要であると言えます。
また、養子との関係では、民法727条で「養子と養親及びその血族との間においては、養子縁組の日から、血族間におけるのと同一の親族関係を生ずる」と規定されており、判例で「養子縁組以前に生まれた養子の直系卑属と養親との間には親族関係を生じない」とされています。
よって、養子縁組前に生まれた養子の子は養親との間では親族関係、つまり、養親の直系卑属にはならないことになり、原則として代襲相続人にはなれません。

しかし、今回の場合、長男は被相続人の実子である小川さんの子であり、小川さんを通して被相続人の直系卑属になるため、二男・長女とともに母の代襲相続人になることができます。
このことは、判例で示されています。
「養子縁組前の養子の子が養親の実子の子でもあって養親の直系卑属になるときは、養親を被相続人とする相続において、養子の子は、養親より先に死亡した養子を代襲して相続人になる。」(大阪高判平1.8.10)

以上のことを司法書士にも確認を取り、長男さんも代襲相続人になる旨をお伝えしたところ、大変喜ばれました。


印のない自筆証書遺言書


被相続人Aさんは未婚であり、配偶者、子供はなく、ご両親も既に死亡されており、兄弟姉妹による相続(実際には兄弟姉妹は全員死亡しており、甥・姪による代襲相続)となりました。

今回、代襲相続人のひとりであるKさんより相続手続きの相談依頼を受けておりましたが、後日になり被相続人Aさんが書いた自筆の遺言書が発見されたとの連絡があり、至急管轄の家庭裁判所に申立てをし、自筆証書遺言書の検認を済ませてもらうことといたしました。
その後、早速、検認済みの遺言書を拝見させてもらうと遺言書面には被相続人の押印はなく、遺言書封筒に封印のみ押されたものでありました。

このような「印のない自筆証書遺言書(封じ目に印あり)」の場合については、「遺言書本文の入れられた封筒の封じ目にされた押印をもって民法968条1項の押印の要件に欠けるところはないとした原審の判断は正当として是認することができる」と判示されています(平成6年(オ)第83号遺言無効確認請求事件)。
その判例趣旨に沿い、今回、各取引金融機関及び法務局にその遺言書の有効性についての説明を行い、検証依頼をお願いしたところ、全先より「有効」との回答を得、無事「印のない自筆証書遺言書」による相続手続きを進めることが出来ました。

しかし、提出先によっては有効性に疑問を持ち、手続きに応じてくれないところもあるかもしれません。
Kさんも、「せっかく遺言書を残してくれていたのに、もしかしたら形式違反で無効になったかもしれないと思うと、自筆証書遺言って怖いですね」とおっしゃっていました。

形式違反の心配のない公正証書遺言で遺言を残すメリットを、改めて感じたケースでした。


全部の財産が遺言書に書かれていないなんて・・・


小宮(仮名)さんは妻と3人の子供、そして、ご高齢となった父と、6人で一緒に生活していました。
小宮さんは父から、
「生前にいろいろと面倒を見てくれたお礼のつもりで遺言書を書いているので、財産については安心してほしい。」
と日頃から言われていました。小宮さんには兄と妹がいますが、兄とは折り合いが悪いため、遺言書があることを聞き、少し安心していました。

月日が経過し、小宮さんは、父を亡くしました。公正証書遺言を見つけた小宮さんが、その内容を確認してみると、不動産については詳細に書かれていますが、なんと預貯金と有価証券などの金融資産については全く書かれていませんでした。

「遺言書に書かれていない部分についてはどうすればいいか?」小宮さんは、いろいろ考えたあげく、相続手続支援センターに相談に来られました。センター担当者から、
「金融資産についてのみの遺産分割協議書を作成して、財産を分ける必要がある」
という説明を受けました。

小宮さん曰く『父はなぜこのような遺言を作ったのか、なぜしっかりとした専門家に相談しなかったのだろうか・・』と、悲しみと怒りの複雑な思いが頭の中をめぐったそうです。小宮さんは、いまも兄と話をまとめられず、遺産分割協議書を作成できない状態です。

センターとしては、これから、弁護士などの専門家に相談しようと考えていますが、『遺言書を作成する前に、父がもっと専門家にアドバイスを受けていれば、今回のような結果にならなかったのではないか』と残念でなりません。


遺言内容と違う遺言分割


相談者Hさんは、お母様を亡くされ、センターに相談にみえました。
Hさんは、すでに、お父様もお姉さまも亡くしておられ、お母様の相続人は、Hさん、お姉様のお子様2人の計3人です。
Hさんは、「姉の子どもは2人とも東京在住で、経済的に余裕がある」とおっしゃっていました。

Hさんは、お母様の遺品を整理していると、お母様によって残されたと思われる、複数の遺言を発見しました。これらの遺言は、封をされておらず、コピー用紙にメモ書きされたかのような体裁でした。遺言には、不動産(約3,000万円相当)をHさんの姉に、その他の預金(4,000万円相当)をHさんとお姉さんで2,000万円ずつ相続させると書かれていました。
『この遺言に法的な効果があるのか?』こう思いつつも、Hさんは、遺言の検認という手続きを裁判所で行いました。
裁判所から、Hさんはこう言われました。

「確かに遺言の存在を認める、ただし、法的にこれが有効か無効かを判断するものではない」

Hさんは、遺言の法律的効果云々を議論する前に、相続人全員で話し合おうと、姉の子である姪2人と3人で集まる機会をもうけました。

話し合いの結果、次のようにまとまりました。
・Hさんが、不動産(約3,000万円相当)を相続する。
・姪二人が預金の内、不動産の価格に相当する3,000万円を相続し、1,500万円ずつ分ける。
・Hさんが、預金の内、1,000万円を相続する。

姪2人は結婚していて、他県で夫の所有する家に暮らしています。実家に帰ってくるつもりはなく、経済的にも余裕があるとの事から、Hさんが不動産を相続することになりました。
遺言とは全然ちがう内容ですが、相続人全員の合意がとれ、Hさんは、遺産分割協議によって、自分の住む不動産を相続できました。


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