過去事例

事例 37今さら・・・何なんでしょう

ご相談者の良子さん(仮名)は、ご主人の正夫さん(仮名)を亡くされました。
良子さんはご自身で相続の手続を進めておられたのですが、手続を進めていく中で、亡き夫の正夫さんと前妻との間に子供が2人おり、その2人も相続人であることが判明しました。その2人の協力がなければ、相続の手続を先に進めることができません。
しかし、良子さんはその2人とは全く面識はなく、どこに居るのかも分からないといった状況でした。「どうすればよいのでしょうか?」と当センターへ相談にみえました。
当センターでは、まず、「戸籍」を取り寄せ、お亡くなりになられた正夫さんと前妻との間の子供2人の戸籍を追い、「戸籍の附票」から2人の現在の住所を調べました。
ただ、どのように連絡を取るのか?ということが問題でした。亡くなった正夫さんの弟さんの話しによると、正夫さんと前妻が離婚をされる際、子供はまだ5歳と1歳で、5歳の子はパパっ子であり、大変泣いて悲しんでいたとのことでした。聞き取りや戸籍の読み取りなどから「子供2人は父親である正夫さんのことをどのように思っているのだろうか?」と色々と考えを巡らせました。良子さんもそこのところを一番気にされている様子でした。
まずは、良子さんが子供2人に手紙を出すことになりました。手紙には、正夫さんが亡くなられたこと、自分が妻であること、子供2人への気遣いの言葉と、差し障りなければ連絡をいただきたいという内容でした。
しかし、手紙を投函してから3週間以上経っても何の音沙汰もありません。そこで、弁護士とも事前打ち合わせをしたのち、今度は当センターからの手紙で、相続の件でお子さんお2人の協力が必要であること、良子さんに連絡することが難しいようであれば、良子さんかセンターに連絡をいただきたい旨を伝えることにしました。
そして数日後、当センターにお子さんの1人から連絡がありました。内容は、「父親である正夫さんとは40年来も会っていない。今さら・・・何なんでしょうか。」といったものでした。最初のうちは感情的になっている様子でした。
しかし、時間をかけてお話を伺っているうちに、冷静に自分の父親である正夫さんのことについて色々と考えられた様子で、段々と落ち着いて話をすることができました。結局、お2人とも相続放棄されるということになりました。
面識のない相続人がいる場合、どのように連絡を取ればよいのか、何から話をすればよいのかとても頭を悩ませるところです。
こうすれば大丈夫、という明確な答えはないのかもしれません。しかし、まずはこちら側の主張をするよりも、相手の話をじっくり聞き、相手の立場や考えを理解しようと努めることで、それが相手に伝わり、心を開いていただける・・・ということになるのかもしれません。

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