過去事例

事例 25本当にお父様の借金なの?

お父様(Bさん)が突然亡くなり、相談に来られたAさん。Bさんはいわゆる一人親方で個人事業主でした。晩年は事業がうまくいかず、借金の心配もありました。
そこで相談員は司法書士と相談し、相続の承認又は放棄の期間の伸長申立をし、相続放棄をするかどうかの判断の時間を通常の3か月から6か月に引き伸ばしました。
その間にBさんの会社関係の書類や、個人の郵便や、日記などからの財産調査と信用情報センターでも情報開示を求めました。

様々な方面から調べてみた結果、数年前にBさんのご実家付近の土地改良区へ1万円を支払った領収書が出てきました。但し書きには『平成8年から平成23年分として賦課金計250万円のうち』との記載が…。
ただ、Bさんは不動産を所有していません。しかし請求はBさん名義。

相談員の頭の中は『?』でいっぱいになりました。『なんだろうこれは?』『本当にBさんの借金なのか?』『本当に不動産を持っていないのか?』
このような場合にはじっくりと腰を据えて一つ一つの疑問点を調べていきます。
よくよく調べてみると、土地改良区からの請求の元となる不動産の所有者はBさんの兄であり、Aさんの祖父の相続の際にBさんの兄(Cさん)が引きついだ実家近くの田畑だったようです。
ある程度の情報を得た上で土地改良区に出向き、事情確認。

Cさんの不動産に対する土地改良賦課金は当時、当然ながらCさんに請求をしていたようです。しかし、Cさんは実家を離れ、街の家電屋さんを経営しておりましたが、事業がうまくいかず、雲隠れをしてしまいました。
困った土地改良区は、兄弟であるBさんに何とか支払ってもらえないかと何度もお願いをしたそうです。(実はCさんが雲隠れの前に、賦課金が支払えないから、弟(Bさん)に該当の土地は譲る予定だと土地改良区にお話をしていたそうです。
Bさん自身も当時は支払う義務がないからと、何度も断っていたようなのですが、土地改良区の方をはじめ地域の方にご迷惑をかけているのも心苦しく、月に1万円くらいならと支払った時の領収書が、先に見つかった領収書だったようです。

結果としてはBさんの借金ではなかったのですが、今回のように本人名義で、他人の借金の請求書などが届くことがあるのも事実です。
一見本人名義の借金であったとしても、その借金が、『どんな性質のものなのか』『どんな経緯で今に至っているのか』をしっかりと調べていくことで、責任の所在が明らかになり、不要な支払いを免れることができるのです。

また、今回のような賦課金については、土地改良法により、その時効については、国税及び地方税の例によるとされており、時効完成は5年となります。
もしも、今回の賦課金がBさんのものであったとしても、時効を援用することで、250万円の全額の支払いをすることを免れることができるのではないかと考えつつ、私たち相談員の知識や知恵でご相談者の不安を取り除くことができることをとてもうれしく思い、今後も更なる勉強をしていこうと心に誓いました。

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