事例 132相続時精算課税制度を正しく理解して、申告漏れを防ぎましょう

icn-face

Aさん

母の相続手続を行う際、父から弟が贈与を受けていたかもしれません。父の相続手続の際に、気をつけることはありますか?

AさんBさん姉弟が、お父様の相続手続についてご相談にみえました。
お母様は10年以上前に亡くなっており、相続人は姉妹の二名です。
まず、お二人がお揃いの上でお話を伺うと、相続財産はご自宅不動産と預貯金とのこと。
さらに、お話を進めていくと、かねてよりAさんがご両親と同居していたことから、
ご自宅をAさんが取得されることにBさんは異論ありませんでした。
ただ、不動産の価値に比べると、預貯金が極端に少ないことがわかりました。
そこで、預金はBさんが取得するとしても、Aさんから多少なりとも代償金を支払うかどうか
話合って決めていただくこととなりました。
それとは別に、Bさんは「相続時精算課税制度」について気にしているご様子でした。  

というのも、お母様の相続を手続きされた際、
税理士に相談して、主な預金はAさんが、Bさんは住んでいる自宅の敷地を、それぞれ相続したそうです。
そして、その時の不動産名義が、Bさん曰く、お父様名義だったとのこと。
つまり、当時のお母様の相続とは関係ないのですが、
Bさんはその時、お父様から生前贈与を受けていたことになるのです。

この制度は、父母や祖父母から子や孫へ2,500万円まで贈与税を納めずに贈与でき、
その後、贈与者が亡くなった時に、贈与時の価額と相続財産の価額とを合計して、
一括して相続税として納税するという制度です。
もし、税理士が関与していたとすれば、可能性は十分にありますが、
Bさんは税務申告したかどうか、はっきり覚えていらっしゃいません。

実際、申告書の控え等もなく、さらには、その税理士は既に引退していて詳細はわからないとのことで
相続時精算課税制度が適用されたかを確認することは難しく思われました。
ところが、Bさんのご自宅の地番をお聞きし、登記簿を確認すると、
お母様が亡くなった年に贈与を受けていることがわかりました。
さらに、所轄税務署に照会をかけると、やはり、
相続時精算課税制度を利用していたことが判明しました。
このことから、今回の相続税申告の際に、相続財産に生前贈与の財産も加算して相続税を計算することに。

そして、Bさんが、お父様から先に財産を受けていたということをご姉弟で確認と認識したうえで、
話し合いの結果、Aさんからの代償金はなしで遺産分割が合意されました。
今回のケースは、生前贈与(相続時精算課税)を確認できたことで遺産分割協議がスムーズに運び、
スムーズな分割協議や、相続税申告漏れを防げたことが幸いとなった事例でした。

  

相続時精算課税制度について詳しくわからず困惑する姉弟のイラスト

  

◆用語説明:相続時精算課税制度◆

この制度の注意点は、生前贈与した分が相続発生時に相続税の対象額として加算される為、
贈与の際は非課税でも、将来、相続税として課税される場合があるということです。
また、この制度を一度選択すると撤回できず、同じ贈与者からの贈与について、
年間110万円の贈与税の非課税枠となる「暦年贈与」との併用が不可となることも気を付けなくてはいけません。

この制度の贈与者である父母又は祖父母が亡くなった時には、その相続税の計算上、
相続財産の価額にこの制度を適用した贈与財産の価額(贈与時の時価)を加算して相続税額を計算します。
そして、計算の結果、相続税の納税を要しない場合には、遡って贈与税がかかることはありません。
なお、2,500万円を超えた分の贈与には、贈与時に20%の贈与税がかかりますが、
相続税を計算する際に支払った贈与税相当額は控除されます。

  

東京都 Nさん

何も知らない私達に、とても丁寧にご教授いただき
ありがとうございました。
なんでもかんでも人数分に分けることで手間もかかったと思います。
お手数をおかけしました。
また何かあった時はお世話になりますので、よろしくお願いします。
何度もご足労いただき、ありがとうございました。

東京都 Tさん

ご親切に対応していただき、
ありがとうございました。

もうひとつ、実家のことで
ご相談させていただきたいと思います。
よろしくお願いいたします。

東京都 Mさん

非常に丁寧に対応していただきました。
無事に全ての手続きを終えられたことを、
心より感謝いたします。
ありがとうございました。

東京都 Hさん

ご依頼させていただいてから、
登記、相続税の支払いまで
丁寧かつスムーズに手続きを進めていただきました。
ありがとうございました。

事例 130連絡が取れない相続人がいるケース

icn-face

Aさん

母の相続手続をしたいのですが、弟と一向に連絡が取れません。どうしたらいいでしょうか?

「連絡が取れない弟がいます。」

Aさんからのご相談は、亡くなられたお母様の相続手続についてでした。
お父様のYさんはご健在で、子供はAさんと弟Bさんのお二人とのことですが、
「実は弟について問題がありまして」とAさんが話し始めました。
なんでも、Bさんは学校を卒業後に家を出て、20年以上所在が分からないというのです。
「母とは連絡を取っていたかもしれないが、自分や父には一切連絡もない。」
連絡が取れないどころか、どこで何をしているのかも全く見当がつかず、困り果てた様子です。

 

お母様の相続財産は、ご自宅の不動産と預貯金、保険でした。
しかも、保険はBさん名義で掛けられており、家出したBさんの為に、
ひそかにお母様が貯金していたものと思われます。
さらに、遺言書を遺されていなかったので、Bさんとの遺産分割協議は避けて通れませんでした。
まずは、戸籍を取得していくと同時に、Bさんの住所を調査していきました。
調査の結果、Bさんは東京郊外にお住まいであることが判明しました。
そこで、Aさんから手紙を出してみます。何度出しても反応がなく、
挙句の果てに、書留で出しても受け取ってもらえず戻って来てしまう有様でした。

 

また、Aさんが実際に家を訪ねてみましたが、いつ行っても不在でした。
探偵のように深夜まで張り込みをするわけにもいかず、Aさんは裁判所の力を借りることを決断されました。
つまり、Bさんを相手に遺産分割調停の申立てを行うということです。
遺産分割調停とは、相続人間での意見が対立して遺産分割の話し合いがまとまらない場合や、
いくら連絡しても協議に応じてもらえない場合などに利用できる制度です。
調停申立が受理されると、裁判所から調停期日が指定され、その日に双方が裁判所に集まり、
調停委員と話し合いを行っていきくことになります。
しかし、何回か期日を示しても、Bさんは一度も呼び出しに応じませんでした。

  

連絡が取れない相続人(弟)のことで悩む父親と姉

結果的に、調停は不成立と判断され、遺産分割審判に移行し、
不動産と預貯金は法定相続分で分割するという内容で、裁判所により判断が示されました。
具体的には、不動産はYさん名義に変更して換価し、預貯金は解約してYさんが一旦取得し、
YさんからAさんとBさんに分配するよう、示されました。
これにより、Bさんが相続することとなった財産は、
Bさんと連絡がつくまでYさんが預かることになります。
ひとまず相続手続は完了しましたが、YさんAさんにとっての”完了”はまだまだ先のことです。

 

◆参考◆

 

故人が遺言書を遺していない場合、各相続人は法定相続分に従って遺産を相続します。
また、遺言書があった場合も、相続人全員が話し合って納得すれば、
遺産をどのように分けても構いません。
このように、具体的に誰が何を相続するかを相続人全員による話し合って
決定することを「遺産分割協議」といいます。

ところが、今回のケースのように、いくら連絡しても相続人が協議に応じない、
または、相続人間での意見が対立して協議がまとまらないなど、
遺産分割協議が成立しない場合、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立て、
話し合いまたは家庭裁判所の審判により決めてもらう方法があります。
ちなみに、この遺産分割調停は、一部の相続人を除外すると無効となります。
調停手続きでは、当事者双方から事情を聴くなど、各当事者の意向を聴取して、
解決案の提示や、解決に必要な助言を行って、合意を目指した話し合いが進められます。
話し合いがまとまらず調停が不成立となった場合には、
自動的に審判手続が開始され、裁判官が、遺産に属する物又は権利の種類及び性質
その他の一切の事情を考慮して、審判することになります。

 

 

埼玉県 Tさん

弟の相続に関し、いろいろと手続きを行っていただき
ありがとうございました。
今後も、不明な点がありましたら、
ご相談させていただきますのでよろしくお願いします。
ありがとうございました。

東京都 Oさん

前略
お手紙が遅れて申し訳ありませんでした。
この度は、大変お世話になり、
ありがとうございました。
これほど完璧なお仕事に、ただただ感謝しております。
今後とも、何かと頼りにさせていただきたく
思っております。
末筆ですが御社の益々のご発展を祈ります。
取り敢えず、御礼まで。
草々

事例 129相続放棄と認知の子供

icn-face

Aさん

亡くなった主人には住宅ローンの返済が残っているので、相続放棄を検討しています。

相続放棄とは、プラスもマイナスも含めたすべての財産を放棄することです。

今回、亡くなったご主人Xさんには、多額の住宅ローンが残っているため、
奥様のAさんは相続放棄を選択しようとのご相談でした。
一般的には、住宅ローンには団信がついています。
このため、債務者の死亡を申請すれば、住宅ローンはなくなるものです。

  

しかしながら、Aさんにはとある問題が生じていたのです。
それは、Xさんの存命中に住宅ローン返済が滞り、住宅が競売に掛けられていたということ。
しかも、競売金額では住宅ローンを完済できず、その後も残った返済が滞るなど、
遅延損害金が膨らんでいるという惨憺たる状態だったのです。
そのため、自宅も、購入者から借家として借りて住んでいる状況でした。
これでは、既に団信の機能は失われているため、死亡しても債務は消滅しません。
その他の金融資産も限りなくゼロに近かったため、相続放棄したいとのことでした。

  

ちなみに、最近になって成人したお子様が競売された自宅を買い戻していたため、
所有権はAさん側に戻っており、住まいの心配がなくなったこともあっての相続放棄となりました。
ところが、相続人を確定していく中で、今度はより厄介な事実が判明したのです。
それは、ご主人にAさん以外の女性との間に、認知された子供がいたということです。
さらに、認知された子供は、まだ7歳の小学生でした。
Aさん家族の相続放棄後、こんな小さな子に借金という財産が分与されるのは、悪夢でしかありません。
とはいえ、これまで存在も知らなかった認知の子供とその母親への連絡は、非常に躊躇われるものでした。

   

自分の相続放棄後、認知の子とはいえ、小さな子供に借金を背負わせることに悩む女性

だからといって、仮にAさんが知らせなくとも、債権者が通知を出す可能性は高いこと、
そうすれば、自ずとXさんとの関係や死亡の事実を知ることになること、
そして、そうなった時、適切に相続放棄の手続きができなければ、
7歳の子供に多額の借金が降りかかってしまうことに・・・。
Aさんは悩んだ末、認知された子供とその母親に宛ててお手紙を出すことにしました。

   

そのお手紙の中で、Xさんが死亡し、Xさんには債務があったため、Aさん家族は
相続放棄という選択をしたと伝えました。
その上で、認知の子供が相続放棄の手続きをしやすいように、
Aさん側でわかる情報をまとめた下書きと、必要な戸籍謄本も同封し、
放棄をした場合は必ずお手紙を下さいという文言を添えました。
複雑な感情に苛まれ苦しみながら、Aさんができる精いっぱいの対応をしたのでした。

   

◆用語解説:相続放棄/団体信用生命保険(団信)◆

被相続人の財産に属した『一切の権利義務を放棄するか(相続放棄)、
承継するか(単純承認・限定承認)を選択できる』 制度です。
被相続人の財産はプラスの財産(不動産や預貯金)だけでなく、
マイナスの財産(借金等の債務)も含まれるため、
後者がプラス財産よりも多い場合があり、承継した相続人に大きな負担となることも…。
また、例えマイナス財産が多くなくても、相続財産を 承継したくない相続人がいる可能性もあります。
そこで、民法では、相続人の利益保護や意思尊重の観点から、
相続人は一定の期間内に相続放棄することができるとしています。

  

住宅ローンの契約時に加入する保険で、
その住宅ローンの契約者が死亡、又は高度障害になった場合、
それ以降の支払が免除され、相続人はその債務を負うことなく、
住宅を相続することができるというものです。
遺族に対して保険金は支払われない代わりに、
死亡した時点で、保険会社が残債務に当たる額を住宅ローンの引受先である銀行等に支払い、
これにより債務は消滅するという仕組みです。

   

   

   

埼玉県 Kさん

ご担当者様
お世話になりました。
今回、依頼してとても良かったと思いました(銀行さんの紹介)。
見積もわかりやすく、内容説明も丁寧で、
スケジュール的にも迅速なご対応いただき、
感謝の念に堪えません。
御礼申し上げます。
コストパフォーマンスも良いですし、
担当相談員の方のお人柄も含め、信頼できます。
また機会があればお願いしたいと思いました。
ありがとうございました。

無料相談お問合せ

03-3343-3261

今すぐお気軽にどうぞ

ご相談はご来社か、自宅に訪問して対応させていただいております。お電話でのご相談に対する回答はしておりませんのでご了承ください。

メールでお問合せ
;