事例 61エンディングノートさえあれば

葬儀社からのご紹介により「独身のまま子供がいない姉(安藤さん(仮名))の相続手続きについて依頼したいのですが、銀行、証券会社等多数の財産があり、本当に名義変更や細かい解約の手続きをしていただけるのか?」という電話が入りました。

何度も念を押されるので、日常生活の手続を含め、専門的手続を行える旨をお話しし、状況を伺うと、安藤さんは兄妹間で音信を絶っており、孤独死で、財産の内容が全く分からないとのことでした。
安藤さんは、銀行に40年程勤務しており、妹様の話では赤十字に寄付することも考えられ、公証人役場の電話番号のメモがあり遺言書を残されている可能性が高いとのこと、また近所の信用金庫に貸金庫の鍵が見つかっているとのことでした。

相続人は、兄妹3名と代襲相続人である姪が2名の計5名で、地方に在住して、残念ながら仲も悪く、お葬式でも言葉を交わしていないとのことでした。
相続人間の調整は、弁護士法でお手伝いは出来ない旨明言したうえで、まず「遺言検索」により公正証書の存在を確認する必要があることを伝え、貸金庫の中味に預金通帳等の現物と、自筆証書遺言書の有無を確認することが前提である旨伝えました。

結果的には遺言書はなく、貸金庫の中味はアルバムだけでしたので、各金融機関の残高証明書と突合し、全相続財産の相続手続きを無事終了しましたが、互いに、隠れて贈与等が行われていたのではないかという不信感は払拭できぬままの状態が続きました。
妹様も兄妹間が仲良くなれないことが一番悔やまれると最後につぶやかれていました。
安藤さんがエンディングノートを残してくれたら、兄妹間でいやな思いをせずに、対立することもなく、分割協議も円滑に進んでいたかもしれない典型的なケースでした。

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