事例 102遺留分を請求されたらどうしよう?

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Aさん

亡くなった母には、前夫との間にも子供がいたと聞いています。
その子供達から遺留分を請求されたら、どのように対応したらいいのでしょうか?

遺留分とは、法定相続人に最低限保障される相続分の割合

「母が亡くなり、その日のうちに父が亡くなりました」
と、Aさんからご相談をいただきました。
Aさんのお母様は、長い闘病生活の結果亡くなりました。そして、病院から戻ったその晩に、今度はお父様が亡くなられたのです。
ご両親二人ともを同日に亡くし、大変な心労であったと思われますが、Aさんは二人姉妹の姉として、気丈に対応されていました。
お母様の相続について、Aさんには気がかりなことがありました。
「自分達姉妹以外に、母の子供がいるようです。遺留分についてどうしたらいいですか?」
遺留分とは、民法で定められた、一定の相続人が最低限受け取ることができる割合のことです。

①遺留分が誰にあるのかを確認

闘病生活を送っていたお母様は、自筆証書遺言書を遺していました。封がしてあるため、Aさんにも内容は分かりません。ただ、遺言の存在は前もって告げられていたようです。そのお話の中で、お母様は再婚で、前夫との間に子供がいると知ったといいます。
もちろん、Aさんは会ったことはありません。しかし、お母様はずっと気にかけていたと思う、とのことでした。
戸籍を取得して相続人を確定した結果、前夫との間にはお二人のお子様がいると分かりました。つまり、このCさんとDさんも法定相続人であり、遺留分が認められることになります。

②遺留分を取得する意思があるかを確認

法定相続人が確定できたところで、今度は遺言書を開封します。今回のように、自筆で書かれた遺言書の場合、家庭裁判所での検認手続が必要となります。また、その際には、各相続人に裁判所から通知がいくことになっています。
そこで、Aさんには、CさんDさんに対して、前もってお手紙を出すようアドバイスしました。突然の裁判所からの通知でCさんDさんを驚かせてはならないという配慮です。遺留分のお話だけでなく、Aさんがお二人に伝えたいことを書いてもらいました。お母様の闘病生活や晩年の様子を伝えるとともに、ずっとCさんDさんを気にかけていただろう、と、お二人のお気持ちに配慮した内容でした。
Aさんからのお手紙に対し、早速、Cさんからお返事がありました。そこには、母を最期まで看てくれたことに感謝の言葉が綴られていたそうです。また、「検認には立ち会えないが、仮に遺言書で何も財産がもらえなくても構わない。それはDさんも同じお気持ちだ。」という内容でした。


かくして、家庭裁判所で検認が行われることとなりました。

遺言の内容は、お母様の財産はAさんと妹Bさんに相続させるというものでした。また、CさんとDさんには何も相続させないが理解してほしいと添えてありました。Aさんは遺言書の内容と感謝をCさん達に伝えました。
一方、お父様の相続については、不動産や金融資産と多岐にわたりましたが、お父様は遺言を遺されていなかったので、AさんBさんで遺産分割協議を行い、相続することとなりました。

母親の相続で遺留分が認められる相続人は4人

◆参考◆

●遺留分について

遺言では、民法で定められた法定相続分にとらわれず、財産をどのようにも処分できます。しかし、これには絶対的な効力はありません。
一定の相続人には、最低限受け取ることができる割合が民法により定められてるからです。
これを遺留分と呼び、被相続人の配偶者や子(第1順位:直系卑属)、親(第2順位:直系尊属)に認められます。ただし、兄弟姉妹(第三順位)には認められていません。また、その割合は、相続人が配偶者や子の場合は2分の1、親の場合は3分の1となります。

●遺留分をめぐる問題

遺留分とは、先述の通り、民法で認められた一定の相続人の権利です。
今回のケースでは、Cさん達は遺留分を主張しようと思えばできる立場でした。それは、例え遺言書に何も相続させないとあっても可能なことです。
実際に、そうしたことから、相続人間で揉め事に発展するケースも少なくはありません。
にもかかわらず、Cさん達がお母様の遺志を尊重してくれました。そのことに、Aさんは改めて感謝の意を表したのです。
相続発生時にAさんが送った心のこもったお手紙が、感情的な対立を避け、故人の遺志の実現を叶えたのでしょう。

●遺留分の侵害

遺留分を侵害した遺言が行われた場合でも、遺言自体は有効です。
また、遺留分を侵害された者は、遺贈を受けた者に対し、侵害された相続分を返せと請求できます。
なお、この遺留分を返せという主張は、一定の期間行使しなければ時効により消滅します。
 ①遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与、または遺贈があった知った時から1年間行使をしない時
 ②相続の開始の時から10年経過した時

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