事例 80会ったことのない相続人へ連絡したいけど…

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Xさん

亡くなった母は、父と再婚でした。
母の預金が残っているみたいだけど、離婚前の家族に連絡を取るって、いったいどうしたらいいのでしょうか?

まずは、だれが法定相続人なのかを明確にしましょう

一人っ子のXさんは、お父様の相続手続きで銀行を訪問し、無事に手続完了となりました。
ところがその際、5年前に既に亡くなった母Aさんの定期預金残高があることが判明し、どう手続きをしたらいいのか…と、センターにお越しになりました。
Xさんによると、母Aさんはお父様とは再婚で、生前お父様より「おかあさんには前の旦那さんとの間に子供がいるようだ」と言われていたそうです。

そこでまず、Aさん出生から死亡までの戸籍謄本を取得すると、お話しの通り、Aさんには離婚した前夫との間に2人の子供(Bさん、Cさん)がいることが判明しました。
BさんとCさんの現在戸籍を取得してみると、CさんはAさん死亡後に死亡していたため、Cさんの妻Dさんとその子(Eさん、Fさん)が数次相続人となり、相続人はXさんを含めB、D、E、Fさんの総勢5人になることが分かりました。

Xさんはここまでわかってようやく、戸籍の附票で判明した他の相続人の住所宛に、「母Aが亡くなり相続手続きをしたいので協力してほしい。ついては連絡方法(電話番号)を知らせて頂きたい」とお手紙を書きましたが、待てど暮らせどお返事はありませんでした。

どうやら、存在すら知らなかった人物からの突然の連絡で、他のご相続人方に不信感を抱かれてしまったようでした。
しかし、ご相続人全員で話し合いをしないかぎり、相続手続きは前に進みません。 

そこで当センターから、XさんよりAさんの相続手続支援サービスのお申込みを受けた旨の通知文を相続人(B、D、E、Fさん)に送付し、事務代行手続きのため連絡先をお知らせ頂きたい旨ご依頼しました。
すると、ご連絡した皆様から、センター宛に次々とお返事がきたのです。第三者が入って手続きを行うということで、Xさんに対する不信感や不安感が和らいだようでした。

その後は、Xさんに連絡先をお知らせすることの承諾を得て、改めてXさんから皆様に連絡を取っていただきました。Xさんにはその際、生前のお母様の様子や死亡に至った状況、連絡が出来なかった事由、お詫びの言葉を添えた手紙も出していただきました。

そのお手紙で皆様も安心されたのか、早々に遺産分割協議が整い、手続きを完了することができました。

◆参考◆

「代襲相続」と「数次相続」は、亡くなった順番の違いです!

今回のケースでは、本来であればAさんの実子B、Cさんが相続人となるはずでした。しかし、Cさんのお亡くなりになったタイミングで、その後、相続人となる人物が変わる場合があったのです。

●代襲相続
例えば、被相続人aに子供bとその子供(孫c)がいる場合、通常であればaの相続手続をするのは子供bとなります。ところが、bがaよりも先に亡くなっている場合、bに代わってaの孫にあたるcが相続人となります。これを「代襲相続」といい、この場合はbの配偶者は法定相続人とはなりません。
今回のケースに当てはめると、Cさんが母Aさんよりも前に亡くなっていたら、妻Dさんは相続人からは外れていたことになります。

●数次相続
被相続人の子供が、被相続人の亡くなった後に死亡した場合がこれ、つまり、今回のケースにあたります。
Xさんを視点にするとわかりづらいですが、被相続人である母Aさんの相続人はXさんと、前夫との子供(B、C)です。
このうちのCがA様の死後に亡くなると、Cの配偶者Dと子供(E、F)は、Cの相続に加え、本来CがしなくてはいけなかったA様の相続もすることとなりXさんと同様にA様の相続人になります。
こうした、相続が2回以上重なっている状態を「数次相続」と呼びます。

相続手続きは、相続人の数が増えるほど複雑になります。
ぜひ、専門家へのお問い合わせをご検討ください。

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