過去事例

事例 27過去の遺産分割の代償

弊社の相続セミナーに参加された、Aさんからのご相談でした。
約30年前にAさんのお父様が亡くなった際に、お父様が遺した自宅の土地を分割した内容についてのご相談でした。
詳しく話を伺うと、当時Aさん(二女)のお父様が亡くなった際の法定相続人は、お母様とは離婚されていたこともあり、Aさんと、Aさんのお姉さまの長女BさんとAさんの妹の三女Cさんの3名でした。
そしてその際の土地の分割内容は、Aさんが3分の1、長女Bさんが3分の1、三女Cさんが3分の1という、正に絵に描いた様な法定相続分の割合で共有の相続でした。
当時はどのように分割するのが良いのかを相談するところも無く、とりあえず三姉妹平等にと思い法定相続分で共有にて分割したと言うことでした。

それから約30年。三姉妹それぞれ家庭を築き、共有で相続した自宅には長女Bさん家族が生活している状況でした。そんな中長女Bさんが突然病に倒れ亡くなったということでした。
長女Bさんには長男と嫁いだ長女がいますが、いずれはこの自宅は長女Bさんの長男が守っていくことになります。
しかし、この自宅の土地の権利はAさん、亡くなった長女Bさん、そして三女Cさんの共有名義です。
またAさんと三女Cさんには共にお子さんがいらっしゃいますので、当然将来的なことを考えてもこのままでは土地の権利は亡くなった長女Bさんの長男には引継がれることはありません。
そこでAさんは自分の3分の1の名義を亡くなった長女Bの長男の名義に変えることは出来ないか?と言うことでした。
その意向は、三女Cさんも同様に考えていると言うことです。

ここで提案できる内容としては、「生前贈与」か「公正証書遺言による遺贈」になります。
色々と調べると土地の評価も高額になることもあり、生前贈与となると贈与税も含めかなりの諸費用が必要となります。一方、公正証書遺言による遺贈であれば、相続人以外にも財産を引継がせることもできますので、亡くなった長女Bの長男にも引継ぐことができますし、「死」を原因による財産の移転なので、贈与税の対象にもなりません。(相続税の対象にはなりますが)
そこでAさんCさん共に公正証書遺言にて土地の権利を「亡実姉Bの長男に遺贈する」と言う内容の公正証書遺言を残すことになりました。

今回の相談は、過去の相続の際に平等にと思い土地を三姉妹にて共有で分割したことが問題でした。当時は良かれと思い平等に分割したつもりが、時が経ちそれぞれの状況も変わり過去の分割内容を悔やむ結果となりました。
今回の相談を受け、土地を兄弟姉妹による共有にて相続することは、よほどの事情が無い限り避けたい分割方法であると改めて痛感する事例となりました。

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