過去事例

事例 21思わぬプレゼントとなった「トラベラーズ・チェック」

旅行好きのMさんの相続手続きは、不動産、預金、株、車など多岐にわたりました。 手続きを終えて、しばらくたった頃、Mさんのご主人のKさんから再び電話がありました。

「Mの旅行カバンを整理していると、中から、サインの入ったトラベラーズ・チェックが出てきたのですが、これは2箇所にサインをしてあるので、もう処分するしかないですね?」

 

とりあえず、どういうものか確認させていただきました。

 

トラベラーズ・チェックとは、旅行用小切手のことで、海外旅行の際に多額の現金を持ち歩くことなく、サインひとつで現地通貨に換金できたり、直接支払にも使えるものです。ただ、最近では、他にもいろいろと便利なものが出てきているので、日本国内での販売は終了しているところが多くなっています。

 

見せていただいたものは、アメリカン・エキスプレスのもので、US$100が1枚とUS$50が5枚あり、購入時に書いたサイン以外に、利用時に書くサインもしてありました。早速、アメリカン・エキスプレスに問合せたところ、亡くなられた方が持っておられたということで、「相続のトラベラーズ・チェックですね」とすぐに対応をいただきました。必要書類は以下のとおりです。

 

・旅行小切手 : 表面全体にインクペンでVOIDと記入。(全ての小切手の写しは保管しておく)

・被相続人の除籍謄本と法定相続人全員の戸籍謄本 : 関係の確認のため

・法定相続人が複数の場合 「同意書」又は「遺産分割協議書」の写し

・相続人代表者の身分証明書の写し

・次の内容を書いたメモ

①受付時の9ケタの受付番号

②相続人代表者氏名・電話・振込銀行口座(店名3ケタも)

③旅行小切手の合計金額、及び枚数 (同意書に記入の場合は不要)

④印鑑証明は不要、書類を返送しないので、すべて写しでいいとのこと。

 

Mさんの相続手続きに関して、遺産分割協議書を作成していたのですが、遺産分割協議書には、表紙、法定相続人様全員の署名、捺印ページ、相続人代表者が旅行小切手を相続することが明記されたページの写しが必要とのことで、結局、「相続に関する同意書」で手続をすることにし、法定相続人全員の署名、捺印をいただくことにしました。幸いにも、法定相続人の方は皆近くにおられましたので、無事に手続を終え、トラベラーズ・チェックは換金されました。

 

Mさんはご主人のKさんと一緒にあちこち海外旅行をされていたそうで、ディナーには、必ず、その地のワインを好んで飲まれていたとか。

 

季節はちょうどクリスマス。

「Mにもらったクリスマスプレゼントだと思って、ワインを買って、遺影とともに乾杯します」

 

捨てるだけと思っていたトラベラーズ・チェックが、思わぬプレゼントになったと喜んでいらっしゃいました。

 

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