事例 9「相続放棄」と「財産放棄」は同じ?別のもの?

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Aさん

財産は子供たちに相続させたいので、相続放棄したいのですが…

「半年前に主人が亡くなり、その相続の手続きを今回したいのですが…」

Aさんからご相談がありました。

「私は一切財産を相続する気持ちはなく、子供たち2人に全部相続させたいのですが、今さら相続放棄もできないので、やはりいくらか財産を相続するしかないのでしょうか?」

Aさんが心配されていたのは、相続放棄が可能な期間でした。
相続放棄をする場合は、3ヵ月以内にしなければなりませんが、この時にはすでに期限が過ぎてしまっていたのです。

そのため、相続する気持ちがないにもかかわらず、相続しなければならないというもどかしさを、Aさんは抱いている様子でした。

しかし、相続財産をお子様たちに全て相続させる方法は、相続放棄だけではありません。

「お子様たちが相続するという内容で、遺産分割協議書をきちんと作れば、相続放棄をしなくても大丈夫ですよ」

そうお伝えすると、Aさんはやっと安心されたようでした。

相続放棄は、相続人としての権利も放棄することになり、次の順位の相続人へ相続権が移る、という仕組みです。
そのため、大抵の場合、借金などのマイナス財産が多くて、どうにもならない状況で選ばれる手段です。

ところが、Aさんのように負債がない場合でも、「財産はいらない=相続しない=相続放棄」と結びつけてしまう方も少なくありません。
実は、世間一般でよく言われる相続放棄は、「財産放棄」の意味合いで使われていることもあるので、注意が必要です。

「財産放棄」をする場合は、相続権はそのままとなりますので、今回のケースのように、遺産分割協議で、他の相続人が受け取るように協議し、決定しなくてはいけません。
つまり、相続人の一人として「自分は財産を受け取らない」と意思表示をするのです。

そのためにも、財産状況(プラス財産、マイナス財産)は、できるだけ早めに全体を把握する必要があります。

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